
バブル期が終了した1990年頃から自己破産者が一気に増加し、1998年には25万人とピークを迎えましたが、この年を境に破産者は年々減少していきます。
この背景には、銀行や消費者金融と言った金融業者が消費者にお金を貸さなくなったという点が挙げられます。
正確に言えば、貸さなくなったというよりある法整備によって「貸せなくなった」のです。
貸金業法の「総量規制」とは、簡単に言えば「借りられる額の上限」を定めたもので、2010年の法改正によって追加された規制です。
この規制により貸金業者や金融業者は安易に融資ができなくなったのです。
総量規制の概要
総量規制とはどのような法律なのでしょうか。大まかな概要をまとめてみました。
借入の上限
消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングなどは「年収の3分の1」が上限となり、限度を超えると借り入れができなくなります。
なお、これは保証人を追加したり、不動産や車といった物的担保を提供したりしても上限が上がる事はありません。
対象となる取引
ローンやキャッシングといった名称如何に関わらず「金銭消費貸借契約」が対象となります。
ただし、クレジットカードのショッピング枠については対象とならないため、現在総量規制の限度額まで借入を行っている場合でもショッピングは可能です。
年収の計算方法
「年収」は何を指すのか、貸金業法に於いて以下の通り定められています。
- 給与
- 年金
- 恩給
- 定期的に受領する不動産の賃貸収入(※1)
- 年間の事業所得(※2)
※1.事業として行う場合は年収に含まない
※2.安定的な収入として認められるもののみ
①~⑤を合計したものが「年収」となり、例えばこれが300万円だとしたら、借りられる上限は100万円という計算となります。
なお、パチンコや競馬で勝った金銭は税法上は所得(一時所得)となりますが、貸金業法上は年収には含まれないので注意が必要です。